岐阜県内各学区トップ高の競争倍率

 

2021年 3月 3日(水) に,令和 3年度の岐阜県公立高校入試が実施されます。

当塾の中3生諸君も追い込みの時期を迎えて頑張ってくれており,日に日に緊張感が高まっている様子が見て取れます。

 

本日,変更期間を経て出願が締め切られ,各高校の競争倍率が出揃いました。

岐阜県内の各学区におけるトップ高の競争倍率は以下の通りです。

 

[岐阜高]

出願 425名/定員 360名 (1.18倍) ※ 昨年度の競争倍率は1.14倍

[大垣北高]

出願 345名/定員 320名 (1.08倍) ※ 昨年度の競争倍率は1.03倍

[多治見北高]

出願 236名/定員 240名 (0.98倍) ※ 昨年度の競争倍率は1.10倍

[関高]

出願 287名/定員 280名 (1.03倍) ※ 昨年度の競争倍率は0.99倍

[可児高]

出願 220名/定員 240名 (0.92倍) ※ 昨年度の競争倍率は0.92倍

[斐太高]

出願 251名/定員 240名 (1.05倍) ※ 昨年度の競争倍率は1.05倍

 

ご覧の通り,多治見北高と可児高が定員割れを起こしています。

 

私は岐阜学区以外の事情は明るくないのですが,多治見北高は人気高だと思っていたので定員割れを起こしているのは意外でした。

東濃学区の成績上位層は名古屋市内の私立高へ通ったり,岐阜高まで出てきているということなのでしょうか。

 

調べたところ,可児高は今年だけでなく昨年,一昨年も定員割れを起こしており,何年も連続して定員割れを起こしているとなると非常に問題があります。

可児高は,数年前までは大学合格実績において非常に優れた結果を残していたと記憶していますが,今後はより厳しいものになっていくでしょう。

 

今年は定員を超える出願が若干名あるものの,関高も昨年は定員割れを起こしました。

岐阜学区に近い 2高の定員割れが,学区制の撤廃によって成績上位層が岐阜高へ流れたことによるものなのか,それとも他に要因があるのかわかりませんが,その要因には非常に関心があります。

 

2021年2月22日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

医学部医学科に進学するとは

 

国公立大学の医学部医学科は,東大・京大の非医学部医学科,例えば東大の理科一類 (主に工学部へ進学) や京大の工学部より難易度が高い,または同等である。

こんな話が語られているのをよく見聞きしますが,果たしてこれは正論と言えるのでしょうか。

 

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それでは,河合塾が提供する数値情報をもとに,京都大学工学部 (工業化学科) と岐阜大学医学部医学科を比較してみましょう。

 

共通テストのボーダー得点率と二次試験偏差値は,それぞれ京都大学工学部工業化学科が 82.0%・62.5,岐阜大学医学部医学科 が 83.0%・65.0 となっています。

確かに,数字のみを拾うと,京都大学工学部工業化学科と岐阜大学医学部医学科を比較した場合,岐阜大学医学部医学科のほうが難易度が高いとなります。

 

しかし,中身をきちんと精査すると,この 2者は単純比較すること自体に無理があることがわかります。

 

京都大学工学部工業化学科の共通テスト科目と配点は,英語が50点,国語が50点,社会が100点の計200点となっています。

つまり,理系学部でありながら,数学と理科の共通テストの得点はカウントしませんよというスタンスであるうえ,二次試験科目には国語科も課されます。

 

これらのことを加味せず,共通テストのボーダー得点率や二次試験偏差値といった “うわべの数字” だけを拾って比較し,どちらかが上だの下だのという論調は間違っています。

試験科目が異なるものを比較することは無理がありますし,先日のブログでも申し上げたように,中身をよく吟味すると本質が見えることがある典型的な一例と言えます。

 

 

私は子どもたちに,医師を志すのであれば相当な覚悟を持って臨んでほしいと説いています。

 

リーマンショック以降,医学部人気はより拍車がかかった感があり,そこに国公立大の推薦入試枠の拡大も相まって,一般入試の難易度は右肩上がりを続けています。

いわゆる,勉強ができるから医学部医学科へという考え方そのものが非常に危険だと私は考えます。

 

また,医師なら食いっぱぐれがないからとか,安易に推薦 (特に地域枠) でという考えを持っているなら,医学部医学科を志望すべきではありません。

医学部は職業訓練校的な位置づけですし,何より医師になるのであれば人を思い遣る気持ちが不可欠であるうえ,医師になってからも生涯にわたって学び続ける覚悟が必要です。

 

岐阜大学の医学部医学科の募集人員は110名で,推薦が48名 (一般枠20名・地域枠28名),一般が62名 (前期37名・後期25名) となっており,募集人員の 4割以上が推薦に割り振られています。

私は国公立大学医学部医学科の推薦入試は廃止すべきという立場ですから,推薦比率が 4割超という数字に愕然としています。

 

推薦で国公立大学医学部医学科へ進んだ学生と,東大や京大へ進む学生の学力差は言わずもがなです。

あと数年もすれば当塾からも医学部医学科へ進む塾生が続々と出てきますが,二次試験を経る覚悟がないなら医学部医学科はやめておけと常々言っています。

 

2021年2月7日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

卒塾生と合格実績の定義

 

今回のブログでは,当塾が考える「卒塾生」の定義をお話ししようと思います。

 

進路探究塾 Mirai は,高校卒業時まで当塾に在籍した生徒を「卒塾生」と呼んでいます。

当塾はこれまで 5期にわたり,累計59名の「卒塾生」を送り出してきました。

 

もっと具体的に申し上げると,高3生の 2月末日分までの受講料をお納めいただき,進学先の報告をしてくれた生徒が当塾の定義する「卒塾生」です。

つまり,途中退塾生はもちろんのこと,推薦入試等合格で高校卒業前に退塾した生徒は「卒塾生」に数えておりませんから,そういった生徒は合格実績にも一切含んでおりません。

 

 

当塾の合格実績は上記のポリシーで公表しているものであり,次に挙げるような “グレーなもの” は一切排除しています。

 

塾や予備校によっては,数日の講習を受講しただけ生徒や,自習にのみやって来る生徒も合格実績に計上するところもあると聞きます。

中には高2生で退塾した生徒まで大学合格実績に含む塾や予備校もあるらしく,ここまでくると Web で流布されている合格実績は何が正しいのかさえわからなくなります。

 

さらには,各種模試における成績優秀者を「特待生」と称して格安の受講料または無料で講座を受講させ,在籍生として合格実績に計上するという手法もあるそうです。

つまり,どこまでを合格実績とするか一律の基準はなく,それぞれの塾や予備校が考える “自主規制” に委ねられているというのが現状です。

 

 

Q & A のページにも記載しているように,当塾は特待生制度を設けておりません。

進研模試全統模試で全国100位以内を連発し,駿台の『東大実戦模試』でも氏名が冊子掲載されるほどの学力を有していた卒塾生でも,高校卒業まで正規の受講料をお納めいただきました。

 

成績優秀であれば受講料を無料または格安とし,その分を他の生徒が収める受講料で補填するというようなやり方は,私には正しいと思えないからです。

 

 

以前のブログでも触れましたが,正直者が損をする “言ったもん勝ち” の状況が,一部の塾や予備校が流布する合格実績にはあるのです。

一部の塾や予備校ではいわゆる合格者数の “水増し” があるなど,悪質極まりないものもありますから注意が必要です。

 

塾や予備校の公表する合格実績を見る際,それが何らかの意図をもって “つくられた” ものでないかを吟味しなければならいないというのは非常に残念なことです。

 

2021年1月23日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

共通テストまで 1週間

 

私はセンター試験を迎える高3生にいつも,全科目の試験が終了するまでは周囲との会話を極力避け,SNS も見ないようにと指導していました。

“余計な雑音” をシャットアウトしてほしいというのがその理由です。

 

1週間後に迫った共通テストも同じで,2日間を通して平常心を保ち,受験生諸君にはこれまでの頑張りを遺憾なく発揮してほしいと思います。

 

当塾の高3生から聞いた話ですが,県内に多くの教室を構えるある予備校では,試験が難しかった場合は周囲に聞こえる大きな声で「簡単だったねー」と言う合うよう指導しているそうです。

これが講義中に軽い感じで言った一講師による発言なのか,組織全体の考えなのかは定かではありませんが,冗談にも程があります。

 

反則ではないにしても,正々堂々と戦うのではなく,他の受験生を動揺させる,または陥れることを狙ってのものであることが窺えて不快な気持ちになりました。

その程度の妨害で結果が出せないようではメンタルが弱いと言われればそれまでですが,その予備校の考え方が透けて見えるような気がしてなりません。

 

言葉は時に凶器となりうることがありますから不用意な発言は慎んでもらいたいですし,自分たちさえよければいいという考えも改めてほしいと思います。

先日のブログでも申し上げたように,受験生諸君が平常心で共通テストに臨めるよう願うばかりです。

 

2021年1月9日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

関東の 1都 3県に緊急事態宣言が発出

 

本日,関東の 1都 3県に緊急事態宣言が発出されました。

 

1日あたりの国内の新型コロナウィルス感染者数が7,000人を突破するなど,感染拡大はとどまるところを知りません。

県内でもじわじわと感染が拡大してきており,その脅威は確実に私たちへ近づきつつあります。

 

 

文科省は緊急事態宣言下においても共通テストは実施する方針である等,再三にわたって大学受験には影響がないことを強調しています。

 

当塾の 6期生 (2021年春卒塾生) は在籍生の半数以上が志望校は都内など下宿を伴う地域であり,地元志向の強かった 5期生とは対称的です。

現在の情勢を見る限り合格しても授業はオンラインになる可能性が高く,不安定な学生生活を強いられることが予想されますが,高い志を持って学習に取り組む彼らを私たちは応援します。

 

東京外国語大学は二次試験における英語科の入試を,150分から90分に短縮して実施する旨の発表を行ないました (詳細はこちら)。

首都圏にある他の国公立大学もさまざまな形でこれに追随する可能性がありますので,受験生は志望校から発信される情報を小忠実にチェックする必要があります。

 

今年度の高3生は共通テストの初年度であることに加え,英語科の民間試験導入 (見送り) や数学・国語での記述式導入 (こちらも見送り) で大いに揺さぶられた学年でもあります。

当塾の高3生を含む全国の受験生諸君が,納得する形で春を迎えられるよう祈念します。

 

2021年1月7日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

箱根駅伝

 

年が明け,2021年となりました。本年も宜しくお願い致します。

 

私の年始の過ごし方と言えば,実家に帰省し,箱根駅伝をテレビ観戦し,北野天満宮へ初詣に行くというのが例年のパターンです。

しかし,今年はコロナ禍のため,帰省と北野天満宮への初詣を断念して自宅に籠っておりました。

 

1日も早く日常が戻ってくることを願うばかりです。

 

 

私は箱根駅伝を30年以上にわたって観戦してきました。

特にどの大学を応援している等はありませんが,順天堂大や早稲田大が上位を走っていると嬉しくなります。

 

今年の最終10区での駒沢大の逆転劇はすごかったですね。

学生たちの “最後まで諦めない姿勢” に心を打たれましたし,残り 3kmであのようなドラマが待ち受けているとは想像できませんでした。

 

 

せっかくの機会なので,箱根駅伝に関して思うところを綴ります。あくまで一個人の意見としてお読みください。

 

まず,私が毎年楽しみにしているのが “一般組” と呼ばれるランナーたちの存在です。

 

スポーツ推薦ではなく一般入試で入学して箱根駅伝出場を勝ち取ったランナーは “一般組” と呼ばれ,これまで何人もの “一般組” ランナーが箱根路を沸かせてきました。

今年は早稲田大の10区の選手が “一般組” として紹介されており,真の意味での文武両道を達成しているという点で心を打たれます。

 

続いて,留学生の起用に関してです。

 

賛否両論があろうかと思いますが,私は日本人ランナーのレベルアップという観点から留学生の起用に賛成の立場です。

箱根駅伝は「世界に通用するランナーを育成したい」という理念のもとで創設されていますから,卒業後にオリンピックを目指すのであれば海外勢との競争は避けて通れません。

 

今年も 2区で多くの留学生ランナーが躍動していましたね。是非とも数年後に世界の舞台で切磋琢磨し合う姿を見たいです。

 

最後に,事前に沿道での観戦は控えるよう要請が出ていたものの,放送を見る限り沿道には多くの人が集まっている様子が見て取れました。

例年よりは少なかったとは言え,中継所やゴール付近での人垣,各所でテレビカメラに向かって手を振る方が見えて残念な気持ちになりました。

 

来年は,昨年までのように沿道を埋め尽くす方々の歓声を浴びながら,ランナーたちが箱根路を駆け抜ける姿を楽しみたいものです。

 

2021年1月4日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

2020年を振り返って

 

進路探究塾 Mirai は間もなく開塾から 6年を迎えます。

 

まず,この間にご入塾いただいた300を超えるご家庭の保護者様とお子様方,ならびに取引先各社や地域の皆様に厚く御礼申し上げます。

次の 5年,そして10年も Mirai が地域に根付いていけるよう努力を続けていきますので,今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

 

2020年はコロナ禍で異例尽くめの 1年となりました。

 

これまで当たり前だと考えていたことが覆され,日常を奪われる辛さや苦しみが次々と私たちに襲い掛かってきました。

子どもたちは学校へ行けない日々が続き,授業をオンラインで受講したり等,私たちを取り巻く状況が大きく変化した 1年だと言えます。

 

私の教え子も多数が医師や看護師,技師として医療に携わっておりますが,彼らを含む医療関係者の方々の奮闘に頭が下がります。

1日も早く日常が戻ってくることを祈るばかりです。

 

2020年12月20日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

人生に影響を与える

 

以前のブログで,私が受験生の頃に使用していた参考書・問題集を紹介しました。

 

その際に紹介した『英文解釈教室』(研究社) は,私の人生に大きな影響を与えてくれた 1冊として今も心に刻まれています。

『英文解釈教室』ほど基礎基本から応用までを徹底的に叩き込んでくれる参考書はなかったと断言できます。

 

併せて『基本英文700選』(駿台文庫) も,私の英語力の礎をつくった 1冊です。

 

 

『英文解釈教室』と『基本英文700選』は共に,私が尊敬してやまない故・伊藤和夫先生の著書です。

 

伊藤先生は名著とも言うべき数々の参考書を世に出され,難関大を志望する多くの受験生を支えてこられました。

同時に,私を含めた高校生の英語教育に携わる指導者や,仕事上で英語を使用する様々な職種において伊藤先生の影響を受けた方は数多くいると思われます。

 

私は小さな塾の指導者に過ぎませんから,姓は同じでも伊藤和夫先生のように多くの受験生に影響を与えることはできません。

しかし,当塾へ通ってくれる生徒たち一人ひとりと共に歩み,悩み,考え,そして支えることを通じ,彼らの人生に影響を与えることのできる存在でありたいと考えています。

 

2020年11月20日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

大学入試に記述式問題を課すことの是非

 

先日のブログでも申し上げたように,私は大学入試で記述式の問題を課すことに賛成の立場ですが,共通テストで記述式を導入するということになると反対の立場です。

 

一部の報道でも見られた採点者に関する懸案,何より採点基準が不明瞭であること,そして受験生が自己採点ができない等,問題は山積しています。

記述式は各大学にて実施する個別試験 (二次試験) で課せばよいというのが私の考えです。

 

採点を簡素化するために解答が固定されるような記述式,例えば国語科の書き抜きの出題等になってしまうのであれば,あえて記述式の出題にする必要はありません。

共通一次,そしてセンター試験から脈々と続いてきた系譜,なぜマーク式なのかということを考えれば,夥しい数の受験生が挑むテストで記述式を導入することがいかに愚策であるかわかります。

 

実際,共通テストで記述式を導入すべきと考える大学はわずか 15% に過ぎず,国公立大にいたっては 6% しか肯定的な回答がなかったと新聞記事でも紹介されていました。

共通テストにおける記述式の導入は,開始時期を明記しない “無期限延期” の扱いのため,このままお蔵入りになるものと思われます。

 

2020年10月28日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito

来春の高校入試日程に関して

 

来春の岐阜県公立高校入試日程が固まりました。

 

[出願期間] 2021年 2月10日(水) から 2月16日(火) ※ 2月11日(祝)・13日(土)・14日(日) は除く

[変更期間] 2021年 2月17日(水) から 2月22日(月) ※ 2月20日(土)・21日(日) は除く

[検査期日] 2021年 3月 3日(水) ※ 一部の学校では 3月 4日(木) にも実施

[合格発表] 2021年 3月21日(日)

 

当初,検査期日は 2021年 3月 9日(火) で予定されていましたが「追検査」の設定を受けて 1週間近く繰り上がることとなりました。

合格発表は 2021年 3月21日(日) で検査日から 2週間以上とかなりの日数があり,これは異例とも言える長さです。

 

受験生が新型コロナウィルスに感染または濃厚接触者となった場合,「追検査」として後日に検査日程が変更となります。

「追検査」は 2021年 3月18日(木) に実施で,合格発表は「追検査」の結果も踏まえてなされる形で決着しました。

 

また,検査日の繰り上がりに併せて,出題範囲が削減されることも決定しました。

詳細はこちらをご確認ください (岐阜県公立高等学校入学者選抜「新型コロナウィルス感染症への対応について」のページへリンクします)。

 

 

来春の新型コロナウィルス感染拡大状況は全く予想できませんが,どのような状況であっても入試が実施されないということは考えられません。

受験生は感染予防に努めつつ,来るべきその日に向けて “すべきことを淡々と熟す” ことが求められます。

 

2020年9月17日 | カテゴリー : その他 | 投稿者 : ito