2020年度開始の『新テスト』動向 Vol. 001

2016.01.04_for blog_000

 

昨年の終わりに,文部科学省から大学入試センター試験に代わる『新テスト』の問題例が公表されました。

以前のブログでも触れましたが,『新テスト』では現行とは異なり「思考力」や「判断力」を問い,従来のマークセンス方式に加えて記述式の出題となることが予告されています。

 

《記事はこちら》

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/12/22/1365554_06_1.pdf

 

やはり,問題集を解きまくるといった “これまでの学習の仕方” から脱却しなければならないことは明白です。

読書等を通じて教養を育んでおくことや,自身の意見・考えを持ち,それを発信できる力や術を身につけておくこと。こういったことが求められる時代になるのです。

 

続いて先日,文部科学省は『新テスト』において,導入を検討してきた複数回実施を当面見送る方針を固めたと新聞各社より報道がありました。

『新テスト』は従来の “丸暗記” や “一発勝負” を改めるため,“考える力” を測ることに加えて試験を複数回実施することが大きな柱でした。

しかし,複数回実施は “種々の要因” から実施を 10年程度かそれ以上先延ばしにすることになりましたから,2本の柱のうち 1本が崩れることになるわけです。

 

複数回実施が難しいということは容易に想像できることです。にもかかわらず,なぜ見切り発車したのか。甚だ疑問です。

さらに,記事には以下のような文言もありました。

 

「現在 1月にあるセンター試験を複数回にする場合の時期を考えると (中略),12月以前に前倒しされる可能性が高い。そうなると,高校の学習内容が試験までに終わらなかったり…」

 

これは現制度下でもすでに発生している事象で,ご存知の方も多いとは思いますが,科目によっては岐阜高を含む 5高でさえ,現在の 1月のセンター試験までに終了しない科目があります。

理系科目に関しては特にひどい状況で,5高の中のある高校では物理で数単元が未履修のまま 1月のセンター試験本番を迎えました。

 

はじめからそういうカリキュラム立てになっていて終わらせる気がないのか,あるいは生徒の独学および塾や予備校頼みなのか。

理系にとっては多くの受験生が数学に次いで要となる科目がこんな状態では,センター試験で好成績を収めることも,ましてや二次や難関私大で合格を勝ち取ることなどできるはずもありません。

それにもかかわらず,多くの高校での進路指導は “国公立大至上主義” の風潮ですから理解に苦しみます。

そういう進路指導をするなら,入試までにカリキュラムが消化しきれない旨を早い段階で生徒たちに伝え,それなりの準備をさせておくべきです。

 

先日のブログでも申し上げましたが,高校に合格すること,さらには 5高に入学することがゴールではないということがこの点からも明らかです。

たとえ進学校に通っていたとしても,高校のペースに合わせて学習を進めていては大学入試で勝つことはできません。これは現制度下でも,『新テスト』導入後においても同様のことが言えます。

 

当塾の集団指導コースでは,科目を問わず遅くとも高3生の 7月には終了するカリキュラムで指導していますから,以降は演習を通じて知識・理解の定着を図ることが可能です。

このことからも,以前のブログでも申し上げたように,私はろくに学習をしてこなかった生徒に対して「高3生の夏からが勝負だ」などとは口が裂けても言いません。

高3生の夏までにコツコツと準備 (例えば英語科なら4,000語レベルの英単語やイディオム,文法事項) を進めてきたうえでの「勝負」なら話は別ですが。

 

読書

 

小中学生向けの書籍がかなりの数になってきたため,小中学生用の本棚を増強しました。

授業が始まるまでの時間帯やお迎え待ちの時間帯など,多くの小中学生がここにある書籍にかじりついています。

書籍は貸し出しも行なっており,週末ごとに 5冊を借りていくという強者も存在します。

 

小中学生は年間50冊 (もちろん漫画は除外)。これが当塾の考える最低ラインです。

自分用に購入してもらった書籍,図書館で借りた書籍,さらには当塾で借りた書籍。ジャンルを問わず,どんどん読む。

なお,小学校高学年の 3年間は年間100冊以上が望ましいと考えます。

 

先日のブログでも申し上げましたが,現在の中1生はこれまでにない規模の大学入試改革が断行されます。

問題集を解きまくればよいという “机上の学習” が物を言う時代は終わりを迎えことになる,ということは先日もお伝えした通りです。

机上での学習に加え,読書を通じて教養と論理的思考力を身につけ,それぞれの夢に向かってほしいと願っております。

 

 

せっかくなので,増強した本棚を棚ごとにいくつか紹介します。

最上段は中学生向けの “教養をつけるための書籍” の数々。手に取りやすいタイトルもあれば,タイトルからして難解なテーマのものまで幅広く設置してあります。

既に読書習慣が確立している生徒は,このレベルであればどんどんと読み進めていきますし,ここでは飽き足らず,探究コーナーの高校生向けの書籍を手に取る中学生もいます。

 

 

ここは人気のコーナーで,小中学生向けの “自然科学の書籍”。多くの生徒が目を輝かせて読んでくれています。

貸し出し中のタイトルも多く,学年を問わず人気を集めています。

なお,当塾には『Newton 別冊』だけで70冊以上の蔵書があり,既にこの領域へ踏み込んでいる中学生の姿も見受けられます。

 

 

ここも人気のコーナーで,小学生向けのちょっとした “読み物” を集約しています。

先日のブログでも紹介しましたが,星新一先生の書籍は貸し出し中になることが多く,人気を集めています。私も小学生の頃,よく星新一先生の書籍を読んだものです。

 

 

写真は 1月24日(日) の『読書の時間』。今週末の漢検に向けた演習を終えた後,90分にわたってこの時間を設けました。

生徒自身に当塾にある書籍の中から読みたいものを選定してもらったのですが,どの生徒も驚くほど集中し,静かに読み耽っている姿が印象的でした。

その後,書籍から学んだことや気づいたこと,感想等を 1枚の紙に書いてもらいました。これは夢ノートに貼り付けます。

 

  

  

 

当塾に入塾するまでは読書習慣が全くなかったという小中学生も数名おりますが,入塾から数ヶ月もするとすっかり “読書家” になります。

保護者様から「うちの子が家で本を読んでいるなんて信じられない」というお声をいただいたりもしますが,これは書籍の面白さを知らなかっただけに過ぎません。

 

 

私にとって読書の時間は,自身を成長させる大切な時間と捉えています。

読書をするたびに新たな発見があったり気づくこともあったりで,読書を通じて仕事上の悩みが晴れることもあります。

書籍からこれまでに結果を残してきた先人の考え方や価値観に触れ,それらを自身の仕事や生き方に反映させる。先入観を持たずに素直な気持ちで受け止めるよう心がけています。

 

新たな知識を獲得するだけでなく,読書によって論理的思考力が磨かれます。これは間違いありません。

子どもたちには読書を通じて多種多様な学問やさまざまな考え方に触れ,人生を豊かなものにしてほしいと願っております。

 

大学入試改革を控えた小学生と中1生にとって,あくまで読書はそれに備えた準備の一環とも受け止められます。

しかし,私は彼らに各種テストで点数が取れればよい,志望校に合格できればよいというような,学力があるだけの “つならない人間” にはなってもらいたくありません。

中1生とそれ以下の学年,もちろん現行の制度で大学入試に挑む中2生以上の学年に関わらず,読書は生きていく上で不可欠なものであると私たちは考えます。

 

センター試験初日

 

本日はセンター試験初日です。

高3生の諸君とは昨日・一昨日にそれぞれと固い握手を交わして送り出し,彼らは本日からの試験に臨んでいます。

握手を交わした際,どの生徒も笑顔であったことが非常に嬉しかったです。

 

センター試験は基礎的な事項をもとにした出題が大半ですから,あくまで “これまでの積み重ねや頑張りを表現する場” なのだと,生徒にもよく話しています。

万遍なく学び,徹底した準備をしていけば,センター試験は恐れるべき存在ではなくなります。

 

直前の時期になると,「今年は国語が難しくなる」とか「化学が易しくなるらしい」などといった根拠の乏しい憶測が飛び交います。

しかし,これは平均点において隔年現象等が起きているからといった “統計をもとにした憶測” に過ぎません。

不安なのは理解できなくもありませんが,そういうものに振り回されている受験生は中学・高校時代とお手軽な予想問題に縋ってきたのでしょうね。学習とはそんなものではないはずです。

 

科目によっては出題形式が変更になったり,これまでにはなかった単元が出題されたりということは往々にして起こりますから,私はこれまでも “変な予想” は伝えてきませんでした。

「当たるも八卦,当たらぬも八卦」で生徒たちを惑わせるわけにはいきませんからね。

予想しまくればいくつかはヒットするでしょう。しかし,そういう予想をする人に限り,当たらなければ謝罪するわけでもなくだんまりを決め込む。胡散臭い預言者と何ら変わりません。

 

これまでのブログでも紹介したように,当塾では中学生・高校生に対し,あらゆる試験において過去問を偏重したり,または予想問題の類を行なっておりません。

上述したように,万遍なく学び,徹底した準備をする。この積み重ねが結果を生み,真の意味での学力向上と成長につながると私たちは考えます。

 

 

次に高3生の諸君と顔を合わせるのは明日で,20時に全科目の採点をするために集まってもらいます。

採点後にそれぞれと懇談を行ない,結果によってはセンター利用の私大を追加したり,国公立大の出願先の変更をせざるを得ないこともありますから,この懇談で助言するというわけです。

 

これまでのキャリアにおいても,私は同様にセンター試験 2日目の夜に生徒を集めて採点することにこだわってきました。

翌日の高校での採点に持ち越したところで,仮に結果が思わしくなくて周囲と傷を舐め合ったり,担任や進路指導担当に相談するために殺到する列に並ぶ等は時間の無駄です。

結果が良くても悪くても,センター試験の翌日の月曜日からすぐさま動き,1日たりとも無駄にしない。これが非常に重要だと私は考えています。

 

『冬特講 2015』 1日目

 

本日,進路探究塾 Mirai の冬期行事であるウィンタータームに続く第2弾,『冬特講 2015』を開始しました。

本日と明日のブログで,当塾の『冬特講』の指導概要や位置付けを紹介します。

 

『冬特講』の対象生徒は集団指導コースに在籍する中3生から高3生までで,高1生は部活等で参加できない生徒が数名いるものの,中3生・高2生・高3生は全員受講してくれています。

なお,個別指導コースに在籍する生徒も受講を受け付けており,今回も数名が『冬特講』を受講してくれています。

ちなみに高1生 (滝高に在籍) で 1名,高2生に交じって “飛び級” で受講する生徒もいます。この生徒は『夏特講』においても飛び級にて受講しました。

 

受験学年である中3生は高校受験に向けた 5科各科の演習と解説,同じく高3生はセンター試験に向けて各科の演習と解説を繰り返します。

高1生と高2生は科目とテーマを絞り,大学入試に向けての講義および演習を行ないます。

本日のブログでは中3生の『冬特講』の指導概要の紹介に絞り,高1生から高3生のものは明日のブログに掲載します。

 

中3生は公立高受験生と私立高受験生の 2グループに分けて授業を実施しております。

県内の公立高合格をメインに据えている生徒たちには中学内容を網羅的に演習するというのがテーマで,ただ数を熟すというものではなく,理解を深めさせることに主眼を置いています。

先日のブログでも申し上げましたが,当塾では英語を例にとると10月の時点で全単元の指導が終了しております。

この間も相当量の長文の問題演習を積んできましたから,どの生徒も公立高入試レベルの長文読解であれば容易に解答できるというわけです。

文法事項の説明も完了せず,単語もままならない状態で公立高入試レベルの長文読解などできるはずもありません (そういう指導をしている塾もあるようです)。

 

もう一方のグループは,私立高といっても岐阜県内のそれではなく県外で,演習では岐阜県の公立高入試や岐阜県内の私立高入試では出題されないレベルのものも取り扱います。

これは受験で問われるから指導するというより,高校に進学後のことを見据えて指導しておくといったほうが適切かもしれません。

当塾は中学部担当の教員全員が高校部の授業も担当しており,日頃から高3生を含めた大学受験 (難関国公立大の二次試験レベル) 生の指導をしています。

ですから,基本的に高校受験レベルまでしか担当できないような教員が指導するそれより深いものになるのは自明の理です。

 

進路探究塾 Mirai は少人数定員制の指導が特徴です。これは日頃の授業だけでなく,特講においても同様です。

生徒を座席の前後左右のゆとりも取らず教室へぎゅうぎゅうに押し込んで,過去の出題に即した安易な予想問題等を演習・解説して終了などという形式とはわけが違います。

 

以前のブログでも申し上げましたが,高校受験はゴールではなく “小さな小さな通過点” に過ぎません。上位高に進学しても 3年後に大学の合格が確約されているわけではないのです。

ただ高校受験を乗り越えられればよいという安易な演習を繰り返す形式は,高校進学後の伸び悩みにつながるおそれがあります。

中学内容は容易ですから,大量の類題演習を繰り返せば高成績を維持することは可能です。しかし,膨大な知識および深い理解が問われる大学受験はそうはいきません。

 

中3生にとっては高校受験直前の時期ではありますが,私たちは高校進学後を見据えて上記のような指導を行なっているというわけです。

岐阜高に進学してもおよそ 3人に 1人が浪人するという事実。または 5高に進学しても大学の進学先を選べる高校生はほんの一握りという事実。

『高校に進学してからが,むしろ始まりである』

これを理解して高校受験に臨む中学生と,高校合格がさもゴールであるような解釈をし (または,させられ),その先を見据えられていない中学生に差があるということは言うまでもありません。

 

 

夕食時,生徒たちと食べるために用意した麺類です。

中3生と高3生は10時から22時と長時間の学習になりますので,休憩を兼ねて夕食の時間は 1時間確保しています。

 

『夏特講』ではかき氷を振る舞い,冬は温かいものということで麺類となりました。

選択肢は日清食品の『どん兵衛』の天ぷらそば,きつねうどん,にゅうめんに加え,チキンラーメンに UFO。いずれもミニサイズです。

ちなみに『どん兵衛』のそばとうどんは,私の趣味で “西” 仕様としました。

 

学力向上のために

 

当塾の高校生の諸君を見ていて思うこと。それは,来る日も来る日も本当によく頑張るな,ということです。

 

先日のブログでも取り上げましたが,授業は20時50分開始であるのに軽めの夕食を持参して14時頃にやって来る。

これは受験を直前に控えた高3生だけでなく,高1生や高2生もこんな感じなのです。すばらしい。

 

高校生の諸君が黙々と自習に励む姿,教員に質問する姿を小中学生らが目の当たりにし,頑張ることの意味や継続することの重要性を背中で伝えてくれています。

その姿勢は確実に小中学生にも波及しており,憧れの姿として「僕も (私も) あんなふうになりたい!」などと話してくれます。

そのためには小中学生の頃からコツコツと取り組む習慣をつけることと,各種試験の予想問題といった “安易なもの” に頼らない姿勢が必要だと語りかけています。

 

学力向上のために必要なことは,楽な方法を求めることでもなければ,優れた授業をただ受けることでもありません。

いかに机に向かって知識や理解を落とし込めるかが最も重要であり,自身の受験生の頃の経験および約19年の塾教員としてのキャリアからもこれは間違いないと断言できます。

どれほど優れた授業を受けていたとしても,授業の復習もせずにただ受講しているだけという状態では学力が向上するはずもないのです。

 

私は農学部の出身でありますが,教育学や発達科学にも興味を持っていたためにその関連書籍もよく読みました。

学生の頃に読んだ『The Art of Teaching』(Gilbert Highet 著) という書籍にこんな一節がありました。

 

A scholar, for example, who has spent many years studying a difficult subject, may not know how to teach that subject.

And he may feel uncomfortable having a young audience.

But his reputation and knowledge are distinguished enough, they will hold the attention of the class even when he himself is dull and his voice is difficult to hear.

Many of his students will leave the class inspired, not by his teaching, but by the excitement of contact with a distinguished mind.

 

「例えば,難しい課題を何年もかけて研究してきた学者が,その教科の教え方を知らないこともあるし,若い人たちを前にして落ち着かないこともある。

しかし,その学者自身が退屈な人で,その声が聞き取りにくい場合でも,名声と知識が十分に優れたものであるならば,それが学生らの注意を引き付けてくれるであろう。

学生の多くは何らかの感化を受けて授業を後にするのだが,それはその学者の教え方によるものではなく,有名な学者に触れたという興奮によるものなのである。」

 

もちろん,大学の授業と大学受験合格を目指す塾ないし予備校の授業を一括りにすることはできません。

しかし,大学受験向けの参考書や問題集を執筆しているような有名講師が行なう授業であれば,授業を受けただけで “わかったような気がする” という錯覚に陥ることはあり得ます。

 

実際,私自身も予備校に通っていた頃に何度かそういった経験をしました。

やはり最後は自分であり,授業を通じて得たものをいかにして落とし込むか。これが何より重要なのです。

私たちは授業も当然行ないますが,自習室を含めた良質な学習環境の提供と全科目対応の質問受付の実施により,その落とし込みのサポートを行なっているというわけです。

 

最近では有名講師が行なう授業の録画を全国に配信する “映像授業” が幅を利かせていますが,私見ではあるものの,これをうまく使い熟せる受験生はおそらく少数派でしょう。

進路探究塾 Mirai は一方通行の講義ではない “対面教育”。

授業中,または授業外の対話を大切にして生徒たちの意欲や知的好奇心を刺激し,良質な学習環境と質問受付体制と併せて,私たちは真の意味での学力向上と志望校合格を実現します。

 

着実に力をつけている

 

以前のブログでも申し上げましたが,当塾の高校生集団指導コースは数学の授業を週に 2回実施しております。

 

高1生はセンター試験対策となる数学 IA の演習を集団指導で,数学 IIB の講義を個別指導で実施という形態です。

センター試験対策の集団指導は,今後繰り返し演習を積むことで付け焼刃ではない “解き切る力” を身につけることが狙いです。

もちろん,これは文系・理系を問わず,同時に受験校を問わず,本番で 9割超を取らせる力の育成が私たちの考える落としどころです。

 

高2生は高1生と同様に,集団指導で数学 IA と数学 IIB のセンター試験対策演習を,個別指導で数学 IIB と数学 III の講義および二次対策を実施しています。

3月の開始から間もなく10ヶ月が経過し,当塾の高2生たちは数学 IA に関して相当な量の演習を積んできました。

 

高2生は本日の授業でも演習を行ない,題材は2014年度の駿台マーク模試を活用しました。

上位 5名は98点 (岐阜高・理系),97点 (岐阜高・理系),93点 (長良高・理系),92点 (岐山高・理系),89点 (長良高・理系) と続きました。

以降も83点 (加納高・文系),83点 (岐阜高・理系),80点 (岐阜高・文系) と続き,上記で受講生の半数となります。

 

進研模試でも80近い全国偏差値を残すような生徒でも83点,同じく70近い全国偏差値を残すような生徒でも76点と,素材としては決して簡単なものではありませんでした。

しかし,この生徒らも別の演習素材では90点台を取るなど,トップが目まぐるしく入れ替わる激戦の様相です。良い意味での競い合いができていることに,私は目を細めています。

 

紹介している得点結果は,彼らが高1生の頃につくった基礎と,10ヶ月にわたる演習および復習の賜物と言えます。

本番まではまだ 1年以上ありますが,今から結果が楽しみですし,数学 IA に限らず他の科目においても順調に成績向上を果たしていることが何より嬉しいです。

強調したいのは,『成績の上がっている生徒が多い』と題したブログでも申し上げた通り,これは付け焼刃による成績向上ではありません。

怪しげな解法や手法めいた “お手軽なもの” が流布されているのを目にしますが,入試は当て物ではありませんし,そもそも学問とはそういうものではないと私たちは考えます。

 

学問に王道なし』とは,本当によく言ったものだと思います。

 

将来設計指導《12月度》

 

本日,第7回目となる将来設計講座『みらい』を実施しました。

今回は “プロフェッショナルから学ぶ” をテーマに,大学院を卒業後,JR 東日本で勤める私の教え子を招き,小4生から中2生を対象に講演を聴いてもらいました。

 

 

本日実施した講演の骨子は以下の通りです。

 

・中学生および高校生の頃を振り返って (取り組み全般,高校受験,大学受験)

・なぜ現在の職に就いたのか

・仕事内容の紹介と仕事のやりがい

・今後の目標

 

彼が勤める JR 東日本は,山手線や中央線といった路線を抱える日本最大の鉄道会社です。

その事業フィールドは鉄道網というインフラだけでなく,Suica に代表される IT 事業,百貨店やエキナカの整備等の生活サービス事業,車両製造業など多岐にわたります。

 

 

今回の将来設計指導では,仕事にはさまざまな形があり,1つの企業の中にも多種多様な仕事があることを知ってもらうことが狙いでした。

これを受け,彼には自身の日頃の業務の紹介だけでなく,JR 東日本の企業紹介も行なってもらいました。

例えば鉄道の車掌や運転士といった子どもたちにも身近である職業の話や,その他の事業フィールドの話に,生徒たちは興味を持って耳を傾けていました。

 

 

私が彼を指導していたのは,彼が中2生から高3生だった頃の 5年間です。

彼が高校を卒業してからもう10年が過ぎましたが,当時も今と変わらず本当に真面目な性格で,熱心に学習に励んでいたことが思い出されます。

10月に今回の講演の話を持ちかけたところ快諾してくれ,帰省も兼ねて今回の講演に至りました。

 

当塾の高校生の進路指導方針

 

当塾には高校生に内申を稼がせて,推薦で大学合格を目指すという選択肢はありません。

安易な近道を探ることなく,すべきことを淡々と熟したうえで門戸の広い一般入試で合格を勝ち取らせるというのが当塾のスタイルであり,これは揺るぎない方向性です。

 

先日のブログで高校生の定期テストに関して話題を上げましたが,この際に紹介した生徒以外にも定期テストできちんと得点できている生徒がいることがわかりました。

数名の生徒に聞き取ったところ,岐阜高の高2生 (理系) が後期中間テストで数学 III が95点で数学 B が93点だったそうで,100点ではないにしてもなかなかの結果と言えます。

他にも岐阜東高の高2生 (文系) が同じく後期中間テストで数学 II が100点,数学 B が95点,日本史が97点,古典が93点,英語が92点と91点など非常に頑張っています。

確たる目標を持って日頃からきちんと努力していればテスト直前にバタバタする必要もなく,過去問や予想問題がなくともこれだけの結果は残せるというわけです。

 

というより,学校の授業をきちんと聞き,教科書や参考書 (数学で言うと『Focus Gold』や『チャート式』) を理解し,傍用問題集を熟しておけば定期テストにおいて得点は取れます。

予想問題や『これさえ取り組んで (または,覚えて) おけば得点できる』的なまとめプリントのようなものはまさに “急場凌ぎ” に過ぎず,受験に向けては負の遺産を増幅させるだけです。

 

先述のような感じで当塾の生徒たちは定期テスト結果もなかなか良好のようですが,それでも当塾は上記した信念を曲げるつもりはありません。

大学は入学することが最終目標ではないからです。

 

大学に入学することが最終目標であれば,推薦という形態でもいいのかもしれません。

しかし,高校生は大学受験に向けた渾身の学習を通じて多くの一般教養を得るとともに,計画性や思考力,そして強靭な精神力および忍耐力を手に入れます。

大学の一般入試合格に向けてのプロセスは,社会に出てから求められるあらゆる素養が詰まっていると言っても過言ではないのです。

 

長い時間をかけて知識・理解を積み上げ,それらを熟成し,そして使い熟せるまでに昇華させる作業。

模試等で思うように得点が伸びない時には悩み,その状況を打開するべく努力し,考え抜き,または助言を得ながら解決策を見つけ出していく作業。

これらは大学に推薦で入学する高校生がほとんど体験しないプロセスですから,持論ではありますが,一般入学生と比べて推薦入学生は多くの点で分が悪いということは言うまでもありません。

一般入試で大学 (競争原理の働いているところに限る) 受験に臨むあらゆる準備が,人としての成長にもつながると私は考えます。

 

ただ,一般入学生であっても,そのプロセスが中途半端なものであれば推薦入学生と何ら変わらないどころか,むしろその価値は下がると思います。

高校生活を満喫,例えば進学校に通っているのに部活がメイン,次に遊び,時間が空けばスマホ三昧…。進学校に通う高校生であっても,こんな惨状があることを耳にします。

何をするにしても中途半端はいけません。部活も否定はしませんが,その分遊びや睡眠時間を削ってでも学習に時間を充てる気概がないとだめです。

 

夢を持ち,愉しみながら努力を続けられる高校生は素敵だと思います。それは学習であっても,スポーツであっても,芸術であってもよいと思います。

当塾は学習面のサポートを行なう機関ですから,教科指導や対話を通じて生徒たちの夢の実現の後押しをすること,そして良質な学びの環境を提供することが主な仕事です。

とは言っても,これまでのブログでも散々申し上げているように,その過程において生徒に楽をさせるような方法,言わば “お膳立て” の提供は行ないません。

成長を阻害する “お膳立て漬け” にすることなく,夢に向かって頑張ることの意義を教えることが私たちの使命だと考えております。

 

各種報道等からも明らかなことですが,大学を出ていれば職に就けるという時代は終わりました。

25年前と比較して同世代に占める大学入学者の比率は実に 2倍に達しており,大卒の肩書が持つ “ブランド力” は著しく低下しているのです。

私大は定員のおよそ半分,国公立大は15%が推薦での入学だそうですが,国公立大でさえ学生に対して高校履修内容の補習指導を行なうところがあると,耳を疑うような話も聞こえてきます。

また,全てのケースが当てはまるわけではありませんが,推薦入学生は就職において不利になるという見方が根強いのが事実です。

 

こういったことからも,先日のブログでも書いたように『大学入試改革』が行なわれるのです。

若い世代が考える力を失えば失うほど国力が低下していくのは明白ですから,楽をして大学に入学することが横行する現在の風潮にメスを入れるというわけです。

 

最後に,誤解のないように申し上げておきますと,私は推薦入試すべてを否定しているのではありません。

推薦で入学するにしても,高校在学中に各科ともセンター試験レベルの学習を積んでおき,一般入学生と遜色ない基礎学力・一般教養を有しているのであれば話は別です。

 

高校生向けの参考書・問題集 Vol. 001

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当塾が高校生に向けて推薦している参考書・問題集の数々。

私自身が受験生の頃に使用していたもの,私のこれまでの教え子たちが使用して結果を残してきたもの,また,私が書店で実際に目を通して有用と思えるものを並べてあります。

 

ここにはいわゆる “基礎レベル” の問題集は並んでおりません。

その理由は,数学だと『4STEP』のような学校で購入する素晴らしい傍用問題集がありますし,当塾の授業で使用しているテキストもありますから不要というわけです。

まずはこれら傍用問題集を含めた基礎的なものをじっくりと熟すことが先決であり,基礎を腹落ちさせていない状態で実戦的な問題集に取り組むなど愚の骨頂です。

 

同時に,ここには『〇〇日で完成!』などと謳ったり,『世界一わかりやすい』などと首を傾げたくなるような大仰なタイトルが付された “お手軽なもの” は一切ありません。

偏った知識や薄っぺらい知識を獲得したところで “真の実力” は身につかないことは明白ですし,私たちは学習とはそういうものではないと考えているからです。

 

これまでのブログでもたびたび申し上げているように,当塾は過去問ならびに安易な予想問題に頼らせない指導を実践しております。

このことからも,その科目を愚直に,言わば “探究する” ための参考書・問題集をセレクトしてあるというわけです。

当塾の教員が生徒に対し,ここにある書籍を広げて高校レベルにとどまらない化学や物理学,生物学の談義を繰り広げている様子なんかを見ると嬉しくなります。

 

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生徒に購入するよう指示し,実際に自習等で取り組ませたり授業内で使用したりという書籍もありますが,ここで目にした書籍を生徒が自主的に購入して取り組んでいる姿を見かけます。

参考書・問題集というのは、その状況により使い分ける必要があります。

どのレベルの受験生にもフィットする “万能なもの” というのはありませんから,現在のレベルならこれ,次の段階はこれ,といったように適宜使い分けて “真の実力” を獲得していくのです。

 

今後のブログで,当塾が薦める各科の参考書・問題集を紹介していこうと思います。

 

『新テスト』に向けた当塾の取り組みの紹介

2015.07.08_for blog_001

 

以前のブログでも触れましたが,現在の大学入試センター試験が2019年度 (現在の中2生) をもって廃止され,それに代わる『新テスト』が2020年度 (現在の中1生) より導入されます。

今回のブログでは『新テスト』の現時点で判明している事柄と,それに向けた当塾の取り組みを紹介します。

 

『新テスト』は『達成度テスト』とも呼ばれ,具体的には『高等学校基礎学力テスト』と『大学入学希望者学力評価テスト』に分かれます。

テストごとの受験対象や位置づけ,および特徴を列記します。

 

『高等学校基礎学力テスト』は,高校の学習内容がどの程度身についているかを確認するという位置づけです。

受験は強制ではないものの,実質的には大学を受験する,しないを問わず,高2生以上のほぼ全員が受験することになると見込まれています。

 

『高等学校基礎学力テスト』における試験科目は数学 I などの必修科目で,出題形式は現在のセンター試験に近いものになるとのことです。

ただし,ペーパーテストではなくコンピュータ端末を用いる CBT 方式が導入されることになっており,本格導入となればこれまでの受験の風景が一変することになります。

結果については現在のセンター試験のような 1点刻みではなく,A や B といった段階別表示で学校と本人に通知されます。

 

『大学入学希望者学力評価テスト』は,大学入学を希望する高校生が大学教育を受けるために必要な能力を備えているかどうかを評価するという位置づけです。

その結果を大学入試の “受験資格” として使用することを文部科学省も積極的に進めようとしています。

『大学入学希望者学力評価テスト』は高3生以上での受験が予定されており,現在のセンター試験とは異なり年に複数回実施されます。

また,テスト形式は『高等学校基礎学力テスト』と同じく CBT 方式での実施が予定されています。

 

しかし,『高等学校基礎学力テスト』の問題が選択方式であるのに対し,『大学入学希望者学力評価テスト』は選択方式に加えて記述式の導入を目指すとされています。

『高等学校基礎学力テスト』がいわば “従来型” のテスト形式であるのに対し,『大学入学希望者学力評価テスト』 は「思考力」「判断力」「表現力」を問うものとされています。

問題も従来のような教科型の問題に加えて,合科型・総合型の問題が出題されることになっています (将来的には教科型の出題は廃止の方向で検討されています)。

また,英語に関しては TOEFL iBT や TEAP といった民間の資格・検定試験を活用するとされています。従来の「読む」「書く」「聞く」に加え,「話す」能力が問われることになります。

テスト結果についても『高等学校基礎学力テスト』と同じく,点数ではなく A や B といった段階別表示で本人に示されます。自己採点をする現在のセンター試験とは大きく異なります。

 

『高等学校基礎学力テスト』は2019年度から,『大学入学希望者学力評価テスト』は2020年度から実施されます。

詳細な内容等は現在検討が進められていますが,その基本方針である「新テストの実施方針」は2017年度中に公表される予定となっています。

 

先述したようにこれまでの “各教科型” とは異なる “合科型⋅総合型” となることが公表されており,その作問イメージおよびモデル問題は2016年度中に公表される予定です。

多くの受験生にとってほとんど経験したことのない出題形式ですから,早い時期からその対策に取り組む必要があります。

早いうちから学習習慣をつけておき,基礎学力や知識の定着を心がけるなど,今からでもできる対策をしておくことが求められます。

 

『新テスト』に向け,現在当塾が小学生の指導(国語⋅算数)に盛り込んでいることは以下の 5つです。

 

・単なる漢字の学習にとどまらない “語彙力” の獲得

・読書習慣を構築し,日々の読書を通じての “教養” の獲得

・自分の考えや意見を文章で表すことができる “表現力” の育成

・速く,かつ正確な “計算力” の育成

・多彩な図形に触れることにより空間認識能力を高める “想像力” の育成

 

『新テスト』は今のところモデル問題さえも提示されていない状況ですから,どのような出題形式になるのか,合科型とはどんなものなのか等,現時点ではまったく予想ができません。

しかし,テストがこれまでの知識偏重のものではなくなるとすれば,これまでのような問題集を多く熟せばよいという学習スタイルでは結果を残すことができなくなるのは明白です。

日頃の読書でさまざまな考えに触れることが必要になりますし,何より自分の意見をしっかりと持つこと,さらにはそれを文章および口頭で発信できること。こういったスキルが求められるのです。

 

当塾は,生徒たちにこういったスキルを身につけていただくことを目的としても,毎月の将来設計指導の実施や読書の推進を行なっています。

かつ,愉しみながら学べる環境づくりにも力を入れております。

 

 

中1生・中2生に対しては上記の取り組みに加え,アクティブ・ラーニングの手法を用いた指導を個別 CT の授業枠を用いて定期的に実施しております。

写真はグループでまとめた意見を代表者がプレゼンテーションをしている場面です。

 

  

 

お互いに意見を出し合い,グループとしての “答え” をディベートを通じて見つけ出す訓練です。それを最終的に 1枚の紙にまとめ,代表者にプレゼンテーションを実施してもらいます。

この日のテーマは『中国における一人っ子政策の緩和』で,多くの闊達な意見が出されていました。

 

 

とは言え,なかなか意見を出せない生徒がいるのも事実ですから,グループごとについている教員がサポートし,意見を言いやすい環境をつくりだ出します。

 

 

最後は生徒たちのディベートおよびプレゼンテーションを振り返り,私からのまとめを伝えます。

この取り組みは,定期テスト指導や受験対策一辺倒ではない,当塾の考える “将来を見据えた指導” の一環でもあります。

 

これからは定期テストで得点できればよし,高校に合格できればよし,では全く通用しなくなるのです。少なくとも 5年後からはそれがより顕著なものになります。

当塾が過去問や予想問題に頼らせない指導を実践している理由はここにもあるのです。